先日自作PCを組んだのですが、その際に使用したPCケースがまともにレビューが見つからない、というか日本でもほとんど取り扱いのないケースだったので組んだ時の様子と合わせてご紹介です。
ケースの紹介
今回使用したケースはJONSBO D31になります。
・前面パネルのメッシュ加工の有無
・ケースカラー(BLACK or WHITE)
・前面パネル上部に8インチモニターを備えるかどうか
の3つの点が違う8つのバリエーションがあります。
日本では秋葉原の自作PCショップ、オリオスペックが独自に取り扱っています(モニター有固定の4モデルのみ)。
私はQoo10にてメッシュ有、モニター無しの白カラーを購入しました。中国からの発送になりましたが外箱の上からさらに厚い段ボールで梱包されていたので箱にもダメージなく届きました。
もとは前モデルのD30が気になっていたのですが、ファンを付けると色々なところが干渉しそうで…と思ってたところに後継モデルが出たので吶喊してみました。
スペック
ここを見るよりオリオスペックの製品紹介を見たほうがいいです。
対応マザーボード:MicroATX, mini-ITX
サイズ:205mm(幅)x363mm(高さ)x452mm(奥行) ※脚、PCIブラケットのでっぱり含む
重量:6.5kg
フレーム:0.6mm or 0.7mmスチールパネル
HDDベイ数:3.5インチ1台(*1)+2.5インチ2台
フロントIO:4極イヤホン&マイクコネクタ、USB3.0-A、USBType-C(USB3.2 Gen2)
電源ケースサポート:ATX
CPUクーラー高さ最大:168mm
ファン搭載:なし
搭載可能ファン:トップ&ボトム120mmx3or140mmx2、リア120mm、フロント120mm(*2)
搭載可能ラジエータ:トップ360mmor280mm、ボトム360mm、リア120mm
搭載可能グラフィックカードサイズ:330mm-400mm(*3)
搭載可能電源サイズ:奥行き220mmまで(*3)
*1:設置時は底面のファンは2つまで
*2:電源ブラケットの位置を一番上にした場合のみ設置可能
*3:電源ブラケットの位置によって異なる
外観のチェック
箱のサイズは幅295mm奥行き440mm高さ530mmというところ。見た目のわりに軽く感じるかと思います。
前面はメッシュ加工ですが、メッシュなしのつるつるしたものもあります。私は電源のファンをケース外側から吸気させたかったのでメッシュありを選んだのですが、メッシュなしモデルでも右側面前方と下方にスリットがあるのでなしでも問題ないかも。よりしっかり吸気したかったのでメッシュパネルにして内側にファンフィルタをつけることにしました。
左側面はガラスパネルになっており、内部が見えるようになっています。右側にある板は目隠しであり、このあたりに電源ケーブルを収納して目隠ししよう、というものになっていますがこの箇所のみネジ留めとなっており、ドライバーが必要です。
右側面はなにもなし。前面で触れた通り、ケース前面パネルは右側面に吸気用のメッシュが見えます。
背面はIOパネルの穴、120mmファン穴、PCIブラケット、ケース内部で引き回した電源のケーブルコネクタがあります。電源コネクタ右側のスリットって必要ですかね…?PCIブラケットはすべてネジ留め式となっており、一番下のブラケットについている穴はモニター付モデルでモニターの配線を引き回すための穴になっています。
また、このPCIスロットの目隠しと天面を外す際に回すネジは手回しができるものになっています。
上部は天面ファン用のメッシュ穴があります。後部のハンドスクリューを回すと取り外すことができ、外すと120mmファンx3のファンマウンタがあります。140mmファンx2も取り付け可能。
説明書にも記載がありますが、このケースは前述した目隠し板を除いて全てツールレスでパネルを取り外せます。上部パネルは背面の手回しネジ、側面と前面はローラーキャッチ(観音開きのキッチン棚を開け閉めする時に扉を固定しているアレ)がついているため少し力を入れるだけでパネルを外せます。
底面にはファンフィルタが付いています。ここからの吸気を前提としているわけですね。天面と全面にもフィルタがあればなおよかったのですが…
なお、中華PCケースおなじみのMADE IN CHINA刻印はこのケースでは底面に目立たない程度についてます。普段目にする位置でないのは嬉しい。
電源はケース前面にあるブラケットに固定する形になっています。このブラケットは奥行き14cmのATX電源に対応した形をしているので14cmまでの電源なら黒色の電源でも黒色が見えることなく収納ができます。
裏配線のスペースは浅いところで11mm程度、深くなっているところでは30mm程度の深さがあります。
実際に組んでみた
以下のパーツを組み込みました。
CPU:Intel Core i5 13600K \49,980
MEM:Crucial CT216G56C46U5(DDR5-5600,16GBx2) \21,800
SSD:Crucial CT1000P5PSSD8JP_9(P5 Plus 1TB) \12,800
マザー:ASUS STRIX B660-G GAMING WIFI \22,000
CPUクーラー:ID-COOLING SE-226-XT-WHITE \5,980
VGA:MSI GeForce GT 1030 2GD5(流用)
FAN:CORSAIR ML120 PRO LED \100x3, \300x2+サイズ KAZE FLEX SLIM 120mm(流用)
PSU: ADATA COREREACTOR850G-BKCJP \14,810
CASE:JONSB D31 MESH WHITE \15,749
ほかSATASSD、3.5インチHDDを流用。14万円くらい(流用除く)
(電源の容量がグラボに対して大きいことからもわかるかと思いますが)グラボは4070Ti以上を入れたいところですが高いですし、白色となると余計高いので…玄人志向が白色の4070Tiを近日発売するので在庫が潤沢にあることに期待しています。
組み込み済がこちら。組み込み中の画像はこちらのスレッドを参照。
一旦マザーのBIOSを上げる
— シンコペーション蛮族水戸岡 (@mitoka_design) 2023年2月18日
できれば旧PCから電源を外さずに行きたかったが無理だった pic.twitter.com/p3lShhj0dv
今回は電源ブラケットの位置を一番上にして前面にもファンをつけ、つけられるだけファンをつけてみましたが電源ユニット上部にも120mmファンを付けることができそうです。ラジエータは入らないでしょうが。
前面120mmファンと3.5インチHDDですが、ファンを目一杯上で固定することで干渉せず取り付けが可能です。
グラボは400mmまで可能とされていますが、電源のブラケットを一番上で固定してケース推奨の奥行14cmプラグイン電源を使用しても電源ケーブルなどで渋滞しているため実際にはそこまで長いものは不可でしょう。340mmまでくらいにしたほうが吉。
この状態でCINEBENCH R23を2,3分回してみましたがCPU温度は最大90度というところでした。まあまあ冷えているのではないでしょうか。
まとめ
長所
工作精度は良いほう
ファンをいっぱい設置できる
各部が干渉したり排他になったりしない
電源ファンをケース外にむけて吸気できる
MADE IN CHINAを通常見ないで済むw
短所
フレームの剛性が気になる(特に裏面と天面)
ファンが一切付属しない
ファンフィルタは底面のみ
(前モデルより)少し高くなったし奥行きは結構ある
D30について微妙なレビューを見たのでこいつも工作精度はよくないのかなと思っていましたが思った以上に良い感じでバリとかもなかったので良かったです。PCIブラケットも全てネジ留めなのもうれしい。
それ以上にこのケースがいいところはケースファンを組み込んでもPCIスロットを塞がないところ。この手のケースは底面ファンを付けると一番下のPCIスロットを潰してしまうことが多いですし前モデルのD30もそうなのですが、D31ではケースファンをつけてもしっかり一番下のスロットまで使えますし天面にラジエータを入れても各部のアクセスは保たれそうです。そのぶんケースの高さが前モデルより少し高くなっていますし奥行きも伸びていて5インチベイがないケースとしては長めになっていると思います。
ただフレームの剛性は少し気になりますしファンフィルタが底面にしかないのも気になるところ。良い感じのファンフィルタを作れないか思案しています。
総合的には満足できる出来ですね。あとは340mm前後で収まるRTX4000番台を買わないと…