A8000で卒業しといてASXで入学?する話(レビュー)

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はじめに

夏前にA8000を買い、イヤホン漁りは卒業したつもりでした。
しかしまあ、KZが久しぶりにドライバ数を更新する片側10BAイヤホンを出すということで
なんかつい、前モデル?のAS16の7割程度の8000円程度でプレオーダーできるということもありうっかり手が滑った次第です。
台湾を経由するうちに行方不明になり、届いたのが最速組から1週間あと。おかしい…

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ビルドクオリティはかなり高めなれど、シェルが透明で中身が見えているデザインは賛否が分かれそう。シェル自体は大型なIEMタイプでT800あたりとほぼ同じ大きさ同じ形状になってますが然程重くはありません。
付属のイヤーピースがかなり特殊で非常に軸が短く、ノズルの先端が当たりそうになるような形。TWS向けイヤピを装着してもここまでノズル先端と耳が近くはならないです。

 

曲を聴いての感想

最初に聞いたときはイヤピもあってなかったので中高域がスカスカなのかマスクされてるのか、ともかくへんな聞こえ方で・・・
エージング完了後にiPhone6s PlusでYouTube MusicのSEVEN's CODE曲(サブスク版)の曲から試しに聴いてみたのですが、全般的に低音域が強めで「キミと見た夢/HALZiNA」の1サビ終了後のハモるとこ(1:22以降~)でバックで鳴ってるベース音がそんな主張せんでもええわ!てくらいボーーンと鳴ってくれたりしてやべぇ感じに。再生機器をSHANLING M6Proに変えても多少傾向は変われど同じ感じ。
古い製品になりますが16芯銀メッキ線のYYX4745にすると高域の情報量が増えることで(というより、元の線だと低域の情報ばかり流してた感じか)一定の改善が見られたので(低域がある程度強めなのは変わりませんが)今回はYYX4745を使用して聴いていくことにします。以下、断りがない場合TFZ MY LOVE EDITIONを基準とした表現になります。
イヤピはデフォは変な感じだったのでやめ、ノズルが細めだったのでDeepMountを使用しています。これでも耳に残ったりはするのですが非常に抜けやすいSpiralDotよりはいいかと思います。Sednaのような固い軸のイヤピでもいいですが、壊さないように注意が必要です。
SHANLING M6Proのアンバランス、DualDACモード、Lowゲインで聴いていきます。

 

虹色Passions!/虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

youtu.be

カオブレがうまくなる声優もりもり多ボーカル編成の音数多め全編に渡って音圧強いJ-POP。
かなりベースラインとギターの強調が強めになりボーカルとぶつかり合うというか、ボーカルを楽しもうとするとかなり邪魔な感じに。リケーブル前よりマシですが籠り気味か。
そのボーカルにしてもパート毎の聞き分けはしやすいのですが一聴して違和感というか浮いている感じがしてきます。


夜空/鈴木みのり(上ミノより)
前回に引き続き採用となった鈴木みのり。藤原肇の声で歌えとか言ってない。
明るめのミドルバラードという趣。
こちらでもベースはやや強調されますが虹色ほどではなく、結果としてバランスが崩れるほどではなく
ボーカルに違和感を感じることもなく聴くことができます。多BAにありがちな音の繋がりの悪さもあまり感じません。

Venus Dance/HALZiNA Weiβ(SEVEN's CODE ZERO vol.1より)

youtu.be

SEVENS's CODEがうまくなるかもしれない歌い手もりもり多ボーカル編成の音圧強いところは強いJ-DANCE POP。
虹色ほどボーカルの違和感はないものの、盛り上がってるところでのボーカルに対するバックの煩さは共通するところ。
音数が少なくなる箇所ではその違和感が軽減されるので、音数や音圧が強いボーカル曲が苦手といえるかもしれません。

 

14th Clock/INNOCENT NOIZE(Яeveerse clocKより)

Reverse Clock - HEKATONCHEIR BEATS


イヤホンとの相性は良さそうなスピードコア。波形をみたら音圧重視じゃなかった。
キックの重心が下がってズンズンノリよく聞くことはできますがボーカルが相当引っ込む感じになることも確認。
総じてこの聞こえ方がいいかと聞かれると微妙なところでしょうか。


サンカヨウ/ユアミトス

サンカヨウ by ユアミトス - TuneCore Japan

youtu.be

既にDeemo等でも提供はありましたが、インスト含め一挙三曲提供で界隈の知名度を上げた感じのユアミトス。

ベースラインがやや強調されるもののヴァイオリンのストリングスやその他楽器を阻害するまではいかず綺麗に聴けます。もう少し艶というか空気感は欲しくなりますが。

ボーカルは少し目立たなくなるように感じられます。

(追記)エージング完了後の実感ケーブル交換やT800との比較など

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上記では50時間程度はエージングしてから聴いたのですが、100時間程度まで掛けてから何気なく付属ケーブルに戻して聴いたところ
比較的高中域も出るようになったことが確認できました。ただ、M6Proでの話でiPhone6sではあ低音強めのまま。
長時間のエージングでデフォケーブルでもなんとかなるようですが、再生機器を選ぶのは相変わらずです。

この状態で、以前購入したAudiosenseのT800と聞き比べてみました。
T800は普段別のケーブルを使用していますが、条件をある程度揃える為にYinyoo YYX4822に、ASXはTYB4(共に2019年の格安8芯銀メッキ線)にリケーブルしています。
どちらも低音に特徴があるイヤホンですが、比較してT800のほうがカッチリした低音を鳴らしてくれます。
ASXは比較して低音が強いだけでなく広がりというかブーミーさが見られ、この点はバラードとかでは好ましく聞こえる傾向にありますが、重低音を重視した曲においては音の重なりが気になる場面もあります。
高音域は明瞭さの点でT800に分があり、ボーカル帯域はASXがより前に出てきて主張する感じに聞こえました。

イヤーピースをRHAのTrueConnectにすると付属品のイヤピ並みに鼓膜とノズル先端の距離を近づけることができました。また、ASX用に購入したNICEHCK LitzPS PRO(8芯純銀線)が到着したのでこちらに乗り換えたところ、高域の主張が強くなり相対的に低域が少し下がる感じになりました。ただそれでもT800よりは低域の主張が強く、膨らみのある感じで鳴る傾向は変わりません。
エージングをすっ飛ばしたような鳴り方にはなるので、そういう意味では純銀線へのリケーブルはいい選択ではないでしょうか。


最後に

ケーブルの変更で多少変化はありますが、低域の主張と膨らみのある鳴り方が特徴のあるイヤホンです。AS06はすっきりした鳴り方なので少し意外でした。
エージング後も音圧を強めにしてあるボーカル曲との相性の悪さは感じられるので、その手の曲を聴く機会が多いと微妙に感じられるかもしれません。